子育てや学びに関するお役立ち情報をご紹介。
自己肯定感があるとないとで、こんなに違う!
~日常生活のちょっとしたことで育まれる
自己肯定感~
日本人は諸外国に比べ、自己肯定感が低いという調査結果が出て一時期話題になりました。
自己肯定感が低いと、何がいけないのでしょうか。
子どもの学力向上につながる4つのポイント!
1.自己肯定感が高い子と低い子の違い
1つは、困難に直面したときの対処法です。自己肯定感の高い子は、「がんばればできるかもしれない」と考えますが、自己肯定感の低い子は、「どうせ自分には無理」とあっさりあきらめてしまうのです。
たとえば、授業が難しいと感じたときの行動。自己肯定感の高い子は、わからないからこそ集中して考えながら聞くのに対し、自己肯定感の低い子は、「どうせ自分にはわからない」と、理解することをあきらめ、授業を聞くのをやめてしまう。
テストで難しい問題に出くわしたときも、自己肯定感の高い子はなんとか解こうと考えます。仮に1問目が解けなくても、2問目はできるかもと気を取り直して取り組みます。しかし、自己肯定感の低い子は、1問目がダメなら次もだめだろうと、あとの問題もあっさり放棄してしまうのです。
もう1つは、新しいことに挑戦するときの姿勢です。自己肯定感の高い子は、失敗をおそれずにチャレンジしようとしますが、自己肯定感の低い子は、失敗をおそれ、どうせ失敗するならやらない方がいいと、チャレンジすることすらあきらめてしまいます。
この違いが、日々蓄積していくと、1年後には、大きな違いになってきます。
2.子どもの自己肯定感を高める親の向き合い方
「こうあるべき」を手放す
子どもが自己肯定感を持てるようにするにはどうすればいいのでしょうか。
1つ目は、子どものすべてを丸ごと受け止めること。そのためにはまず、親が無意識に持っている常識や普通=子どもは「こうあるべき」という考えを、一度手放すことです。
「こうあるべき」という考えが強い人にとっては、そうではない子は「ダメな子」であり、あるべき姿と現実とのギャップ=できていないことばかりが目につくようになります。すると子どもは、欠点ばかりを指摘されることになり、自己肯定感が育ちにくくなってしまうのです。
「こうあるべき」という考えは“あなたにとっての普通”であり、必ずしも全ての人に当てはまるとは限りません。まず、そこに気づきましょう。
ただ、“あなたにとっての普通”は、長年の間に培われた価値観で、本人すら気づいていなかったりしますから、変えるのは簡単ではありません。だからこそ、子どもに対して「なんでこんなことをするの!」とか「なんでこれができないの!」と思ったときは、ひと呼吸おいて、「それって、私だけの価値観なのかも」と冷静に自分に問いかけることが大事です。
「こうあるべき」にとらわれず、「あれも、これも、ありだよね」と思えれば、欠点よりも、できていることに目が向くようになります。できていることを「できているね!えらいね!」とほめてあげることが、子どもの自己肯定感を育てるのです。
結果ではなくプロセスをほめる
2つ目は、結果ではなく、プロセスをほめること。
テストの結果が良かったときだけ、何かができたときだけ「できたね」とほめられてきた子は、「できなければほめてもらえない」「失敗するのが怖い」「失敗するくらいならやらないでおこう」と思うようになり、やる前からチャレンジをあきらめるようになります。
これに対し、結果よりもがんばったプロセスをほめられてきた子、たとえ失敗しても「ここまでやったことがすごいよね」と認められて育った子は、「間違っても叱られないんだ」「失敗してもいいんだ」と思うことができ、失敗を恐れずに何事にもチャレンジするようになるのです。
「考える力を育てたい」と思わない親はいないと思いますが、考える力って、「自分の考えを言っても否定されない、ばかにされない」という安心感がなければ育ちません。考える力も、自己肯定感がなければ育たないのです。
3.自己肯定感を高めるとっておきの秘訣
子どもの自己肯定感を高めたければ、ダメ出しをしないこと。
子どもにダメ出しをしたくなったら…
子どものテストが返ってきたら、×のところではなく、〇のところを見て、「ここができているね」と声がけしましょう。〇がなければ、「字がきれいにかけているね」でもいいのです。
その上で、「なんでこんな点数なの」ではなく、「どうやったら点数が上がると思う?」と子どもに考えさせることです。
家庭教師として親御さんを見てよく感じるのは、ほとんどの親が、子どもの年齢よりもレベルの高いことをやらせようとしている、ということ。「なんでこれができないの」と言いたくなったら、自分が目の前の子どもと同じ年齢の頃、同じようにできていたかを冷静に思い出しましょう。「私はできていた」という方もいるかもしれませんが、そのときは、“あなたにとっての普通”にとらわれていないかを思い出してください。誰にでも得手不得手はあるのです。
どうしても、子どもの成績が伸びなくてイライラするようなら、親も何かにチャレンジしてみることをおすすめします。英検とか漢検とか、成果がはっきり表れるものが最適です。目に見える成績を上げるって簡単ではないことを実感できるでしょう。
子どもも親も、自己肯定感が上がる魔法の言葉
毎日忙しい日々の中で、子どもを育てていくのは大変です。
最後にみなさんに、子どもの自己肯定感を高める、とっておきの魔法の言葉をお届けしましょう。忙しくても、この5つの言葉を口癖のように繰り返すだけですから簡単です。
その言葉とは・・・
ことあるごとに、この5つの中のどれでもいいから、口に出してお子さんに言ってみてください。
不思議なことに、この言葉を毎日言っていると、親自身の自己肯定感も上がっていきます。お子さんの笑顔が増え、親子の関係も変わってくるはずです。
ぜひお試しください。
- 牧 静
(まき しず) - プロ家庭教師・母親コーチ
- 高校卒業後、バンドマン、高級フランス料理店のギャルソン、バーテンダーなどを経験したのち、一念発起してわずか3カ月の受験勉強で大学を受験し合格。教育学を専攻。卒業後、政治家秘書を経て、元大手受験塾の講師となる。15年以上の塾講師経験の中でのべ3000名以上の生徒を指導その後独立し現在に至る。IQは140を超え、MENSAの会員でもある。
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